マリー ギャラリーは、正式オープンの第二弾として、小林俊哉の個展を開催いたします。
小林俊哉は植物の生き方を通して、そこに在るものと、見えないだけで在るかもしれないものを表現する。
植物は生きるために他のものを食べるのではなく、水と太陽の光を受ける。
そして自らは動くことができず、風や他の生き物にその生命をあずけている。
そのうち、緑いっぱいの葉は枯れ、色鮮やかな花はしぼみ、散っていく。
小林は日々植物を眺めるなかで、もし植物がなにかを考えているならば
生き方としてなにを求め、夢み、そしてなにを諦め、芽吹いては散っていくのだろうか、と度々思う。
小林は初期の頃、自らの心の動きを黒一色と油絵の具のマチエールによって表していた。
一般的には黒に明るいイメージではなく、闇、無、悲哀というイメージが強い。
また、どの色の上に黒を塗っても黒色にしかならない。すべてを消してしまうかのような色である。
しかしながら、それは黒が色全体を内包していることを示す。
イメージにおいても、闇や無には別の一面がある。
闇は、目視できなくとも存在しているものもあるだろう。無は、新しい何かの始まりを感じさせる。
だからこそ小林は、黒一色で感情を表すことを追究している。
本展覧会は、木蓮の花を主として、黒と白の配色で構成される。
白は、北海道出身の小林に特別な感情を抱かせる。雪の白以外で小林の胸を打つのは、この木蓮の白であった。
木蓮はつぼみでいる時間は長いが、あんなに美しい花の寿命は短い。
その生命の儚さを憂いでいるのか、来世への祈りなのか。
木蓮のつぼみは人が両手を合わせているように見えると、小林は言う。
もし木蓮がなにかを夢想し、願っているならば、
小林の手によってそれを叶え、目には見えていなかったものを存在させる。
より詳細な情報は
小林俊哉の公式ホームページにてご確認ください。
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皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げます。