マリー ギャラリーは、清野祥一の個展を開催いたします。
存在するものと、それが存在している空間は互いに強調し合う。
それらはどちらかが欠けても存在意義が薄らぐ。
存在自体を共有していると言っても過言ではない。
これは、片方がなくなればもう一方もなくなり、
片方が現れれば、もう一方も現れることと同じなのだろうか。
清野祥一は、火を通じて様々な素材を出会わせることで、新たなものを作り出す。
同時に、以前存在したものを消し去る。
火を介することにより、人の力で制御することのできない偶発的な現象が起こる。
清野は自分の意図する現象を起こすため調整するが、それでもなかなかそうはいかない。
窯のなかに置いた位置、火の当たり方等の環境、そして天候にさえも左右され、
だからこそ思いがけないことが起こり、作品の表情となっていく。
12.75-11=1.75 (kg)
これは『グラファイトの焼成前の重さ−焼成後の重さ=気体の重さ』を示している。
2009年から作品タイトルは、このような計算式となっている。
『焼成前の重さ』は、作品に使用しているグラファイトの純粋な重さであり、
『焼成後の重さ』は、それを窯の中で火によって焼いた後の重さである。
すると『気体の重さ』は焼成の際に消滅した何かの重さとなる。
新たなものへと変容するには火と偶然の力とともに、何かの消滅が必要である。
ただし、いつも完璧で決まった重さの何かが消滅するわけではない。
それは意図的な干渉が不可能な火による偶然の働きによる。
本展覧会は昨年の個展に引き続き、グラファイトと
セラミックスフィルターを使用した新作にて構成される。
より詳細な情報は
清野祥一の公式ホームページにてご確認ください。
または、弊社までメールにてお問い合わせください。
info@mariegallery.com
皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げます。